毒餃子事件以来、現在も中国産食品が取り沙汰されているが、もともと問題になったのは2002年、「冷凍ホウレン草」に法律を超えるクロルピリホスが残留していたことだった。
「中国産は危険」というイメージとともに、冷凍食品や加工品は、生鮮品に比べて鮮度だけでなく品質も問題があるのではないか、という懸念も生じた。
こうした食品に対する不安は消費者の意識の底にいつも沈殿し、「毒餃子」や「BSE」といった事件があるたびにわき上がってくる。
そこで、「アメリカ牛」の調査第三弾として、パッケージ肉製品・冷凍食品・ファーストフード等について調べてみた。
「牛由来」を使うメニューは多岐に亘るが、それらにかかわる主要11社に対して、
1.具材に使用する牛肉の産地
2.ビーフエキスの使用。使われている場合の産地
の2点について質問した。聞き取りを行ったメーカーは、以下の各社である。
◆味の素冷凍食品
◆伊藤ハム
◆加ト吉
◆ジェイティフーズ
◆ニチレイ
◆日本ハム
◆フリーデン
◆マクドナルド
◆マルシン
◆モスバーガー
◆ロッテリア
その結果は以下の通りである。
まず、牛肉については、オーストラリア産が9社、ニュージーランド産が5社、国産が3社、中国産が1社、今回の眼目であるアメリカ産使用はなかった。(複数国使用のメーカーもある)
ただ、オーストラリア産を使っている1社が、「今後変更の可能性あり」としている。同社はアメリカ産豚肉を使用している。もともとアメリカ産だったものを、最近のトラブルで切り換え、今後の状況を見極めた上でアメリカ産に戻すのかもしれない。
いずれにしても、レトルトカレー同様、外食産業に比べてアメリカ産敬遠の傾向が見られる。やはり家庭に直結する食品・食材だけに、世論と安全性配慮から、「危うきに近寄らず」ということなのだろうか。
次に、牛由来製品(エキス)については、国産が1社あるだけで、他は不使用だった
「ビーフエキスは現在一般消費者が小売店で購入できる商品には含まれていませんが、今後含まれる可能性はあります。ただし、アメリカ産は使用しません」(精肉A社)
「日本でのBSE発生発生後はポーク、チキンエキスを使用しています」(精肉B社)
「牛由来原材料を使用したエキス、ゼラチン、たん白加水分解物につきましては(アメリカのBSE騒動があった)平成17年12月以後は一切使用しておりません」(ニチレイ)
これらの対応もやはり、BSE騒動が契機となっているようだ。
一部には、科学的(確率)に見ても「牛エキス」を使ったことによるリスクはごく僅かだから、気にするのはナンセンス、という意見もある。しかし、その「ごく僅か」をどう判断するかは、消費者の価値観に委ねるものであろう。そのためにも、情報はできるだけ公開すべきである。
ファーストフード関連(マクドナルド、モスバーガー、ロッテリア)、および味の素冷凍食品などについては、公式サイトで原産地を公表している。今後、各社でこうしたことが当たり前のように行われることを筆者は望んでいる。(もちろん、そうなると筆者のレポートも必要なくなるのだが......)
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